私が映画館で映画を観るのは、上の子供二人を連れて『ET』を観にいって以来ですので、かれこれ25年ぶりです。
『ET』は、封切られたばかりの大作でした。しかし、あいにく冬休み。めちゃくちゃ混んでいたため、幼い子供たちの席を確保するのが精一杯で、映画どころではありませんでした。
しかも、映画館を出てから買った(買ってもらった)ばかりの皮手袋の片方を無くしている事に気づきました。
あの混雑ぶりです。出てくるはずはないと、・・ヨメの叱責を覚悟で潔く?諦めました。
私も子供の頃親に連れられてしょっちゅう映画館に行っていました。
若い方はとても想像できないと思いますが、大昔(昭和20年代半ば)の映画館の様子をちょっとお話しますと、
当時私が住んでいた萩(山口県)の古い映画館は、
上映時間が迫ると、係りの人がガラガラ、ガタピシと
雨戸を閉めていました。
雨戸の数が多く、しかも建付けが悪いため、とても
苦労されていましたので、子供心に『大変だな』と思
いました。
また、座席が板張りのベンチで硬いため、希望者は
1枚5円か10円で座布団を借りていました。
当然、トイレはまだ自然落下式で、館内にトイレの
臭いが漂ってきました。
何より気になったのは、しょっちゅうフィルムが切
れて中断することでした。
それでも、お客さんは誰一人として文句を言わず、
ひたすら映画の再開を待っていました。
何かあるとすぐクレームをつける昨今と違い、『戦後の混乱期で誰もが貧しかったけれど、心は豊かだった』のかもしれませんね。
私は、東京オリンピック(S39年)を挟んだ日本の高度成長期に学生時代を送りました。
当時、娯楽といえばまず映画でした。
外国映画に負けじと日本映画も頑張っていましたが、やはり、ハリウッド映画が強く、『シネマスコープだ70ミリだシネラマだ』と次々に大作を送り込んできました。
私も映画が大好きで、オールナイトはもちろん、映画館のハシゴも珍しくありませんでした。
最高は、一日に、3箇所で連続7本観たときです。
さすがに最後の方はヘトヘトで、『灰とダイヤモンド』の途中で記憶がなくなりました。
それが、どうして25年前からまったく行かなくなったのか、自分でも原因は分かりません。きっと理由などないと思います。
今回25年ぶりに映画館に行って驚いたことをいくつか書きます。
ひとつの建物の中にいろんな映画館がいくつもありました。
全席指定で入れ替え制でした。
これだと、子連れでも安心していけますが、観終わったら全員外に出なければならず、昔のように途中から観て次の上映でそこまで観るとか、何度も繰り返して観ることはできません。
座席が実に豪華でゆったりしていました。
また、前の席との間隔が広く段差も大きいため、前の席の人の頭でスクリーンが欠けることがありませんでした。
喫煙者が一人もいませんでした。
ただ、ちょっと気になったのは、上映中たくさんの人がポップコーンをむしゃむしゃ食べていたことです。食べている本人は感じないでしょうが、独特の強烈な臭いが周囲に広がります。
私にとってはNGでした。これってアメリカ流?
もちろん、昔も飲食する人はいましたし、今のように社会の禁煙意識が高くなかったため、『禁煙』マークを無視して平気でタバコを吸う人多く、館内はその煙が充満していました。
いつの時代も『マナー』って難しい課題ですね。
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