2008年04月09日

スーツと私

 現役時代はスーツが仕事着でしたので、数年ごとにスーツを更新し、それなりの数のスーツを持っていました。

 もちろん、ヨソイキの服ですから、家に帰ったらすぐ普段着に着替えないと、ヨメに、

 『汚れる』『膝が抜ける』『シワになる』

などと怒られました。

 だったら、よくテレビドラマで見るように、着替えを持って来てくれればいいのに・・・。さぞかしいい気持ちだろうな・・・。



 三十数年間、ヨメから優しい笑顔で、

 『あなた行ってらっしゃい』とか『お帰りなさい』

と言われたことが一度でもあったかな?・・・ないない!

 着替えを揃えてもらったり、上着やコートを着せてもらったり、脱がせてもらったことは?・・・ないない!

 もしヨメがそうしてくれたら、

 『よし、ヨメのために仕事頑張ろう。頑張って出世しよう』

と考え、人生が変わったかな?

 おそらく『NO』だと思います。

 なぜなら、就職してからずーっと、

 『仕事は生活の手段にすぎない』『仕事は余暇の合間にしよう』『出世はおまけ』

と考えていたからです。

 こんな不埒な考え?でも三十数年間大過なく仕事を続ける事ができたから不思議です。

 『だから公務員は駄目なんだ』と言われそうですが・・・。



 話を本題に戻します。

 『仕事を辞めたらフォーマルな場所に出る事はまずない。もし行くとしたら、葬式と結婚式ぐらいだろうから、モーニングが一着あればいい』

 そう考え、退職する5、6年前からスーツは一着も新調しませんでした。

 ですから、残っているスーツはどれもこれもお疲れ気味のものばかりですが、着る機会がないのでまったく不自由は感じません。


 ところが、今日、私がカジュアルズボンをはいていると、ヨメが、

 『いくら家の中でも膝に穴が開いているのはまずいよ。お客さんが来ても恥ずかしくて出れないでしょう。これをはきなさい。どうせ、もうヨソイキで着ることはないし、普段はいたらいいよ』

と言って、ズボンを出してくれました。

 見れば、何と以前仕事で着ていた高級?スーツのズボンでした。

 確かにもう普段着としてはくしかありませんが、正直複雑な気持ちでした。

 以前だったら、家の中でははく事を許されなかった(大事にされていた)スーツのズボンなのに・・・。

 もちろん、言われるまま穴あきズボンとはき替えました。

 しかし、かなりヨレヨレになったズボンをじーっと眺めているうちに、そのズボンに自分の姿が重なり、言いようのない淋しさがこみ上げてきました。

 これまで何度も古くなったスーツのズボンを普段着としてきましたが、こんな気持ちになったのは初めてです。


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